
はじめに)
2002年、兄が40歳でJCを卒業すると同時に、私が28歳の時入会いたしました。当時は何をしている団体なのかも知らず、訳も分らないまま「とにかく代わりに入れ」と言われて入会したのが活動のきっかけでした。
時代の変遷と共に徐々に少なくなっていますが、入会した当初は、とにかく何かある事に飲み会や懇親会が催され、楽しく和気藹々とした時間を過ごして来たのを思い出します。しかしながら、楽しい事よりも様々な活動を通じて、メンバー皆で一生懸命に取り組み、達成した時の何物にも変えがたい充実感を感じた事が、私にとって一番の魅力だったと思います。以来、入会した年を除く7年間、歴代理事長を役職にて支えながら今日まで活動して来た事が、私のJCマンとしてのささやかな誇りだと感じております。
その様な中、2010年度を迎えるにあたり、私にどのような資質があって理事長に推されたのか分かりませんが、どういう理由にせよ今となっては非常に感謝しています。
何故ならば、私は数多くの先輩方や仲間達に支えられてきました。いずれの方々からもあらゆる場面で助けられ、また多くの学びを受けてきました。今現在の私という人間を形成してくれたのもJCであるし、仕事面に於きましても転機を与えられ、苦しい時期を救ってくれたのもJCであるという事を今更ながらに思い起されたからです。今は、ただただ、私の家族や仕事の従業員、そしてJCの先輩方や現役メンバー、そして縁あってめぐりあった全ての方々に「感謝」という気持ちでしかありません。
本年度理事長という大役を引き受けさせて頂くに当たって、まずは美夜古JCの更なる発展とこれを次年度へ引き継ぐべく私に与えられた責務を果たす事をお誓い申し上げ、以下、所信を記したいと思います。
陰徳、陽報ヲ得ル)
何故、あなたはJC活動をするのですかと聞かれれば、「この地域の発展を願いながら陰徳を積む為です」とこう答えます。地域の発展なくして、私達の本業である経済活動に発展はあり得ませんし、その為に私達はJCという活動を通じて、明るい豊かな社会実現の為の奉仕を行なっている団体だと考えます。
「陰徳」という言葉は、中国の故事から伝わってきた言葉であり、「人知れずに良いことをする」という意味になります。古来、日本人が自己の成長の為によく使われていた言葉だそうで、その反対語である「陽徳」は感謝されたり褒められたりする事で、すぐに消えてなくなるものだと云われています。従って「陰徳」が最も尊い行為だと云われております。母親から「徳を積みなさい」と、幼少の頃から耳にタコが出来る程聞かされていた言葉でしたが、私自身、最近まで深く言葉の意味まで理解する事もありませんでした。しかしながらJCでよく先輩方より聞かれた言葉として、
「JCはやればやるだけ自分に返って来るよ」
置き換えると「(地道にコツコツ)一生懸命JC活動すれば、必ずよい報い結果を受ける」ということでしょうか。入会した当初は、その言葉の意味が理解できず、単なる自己満足ではないかとも思っていました。しかしながら今となってはそれだけではないと考えます。私達が行っているJC活動は、全て陰徳を積む為の活動に繫がっているのではないかと理解出来る様になってきました。
「徳」という言葉は、うまく言い表せませんが「よかれという気持ちで、人に益する事や良い事を行った時に天から授かる点数」のようなものだと思います。または「器」に置き換えても良いかもしれません。私はこの「徳」こそが、今現在もっとも重要で、今現在もっとも足りないモノではないかと考えます。
何故ならば、ここ最近、個人・法人を問わず利己主義や犯罪等、目を覆うばかりのニュースが連日報道されている様に、人としてのモラルの低下、いわゆる「悪徳」が飛び交うこの世の中、利益や恩恵等の陽報を得る事ばかりを期待して、陰徳を積む人々が少なくなってきている様に感じます。
だからこそ、私達の世代が自ら身を慎み、己を律することを心がけ、次世代から頼もしいと思われる様な大人の背中を見せる事が重要だと考えます。その為には、私達がまず陰徳を積まなければなりません。
公益社団法人格取得の推進及び他LOMへの支援の促進)
まずは、組織として昨年の公益法人法の改正に伴い、本年度も引き続き公益社団法人格の取得を目指します。より開示性、透明性の高い会計方法や公益性のある事業の構築等、多くの困難な課題を求められていますが、それに屈する事なく、法人格取得に向け、メンバー全員一丸となって共に考え取り組んでまいります。
また本年度は福岡ブロック協議会へ我がLOMより3名の役員を輩出いたします。そしてお隣である豊前JCより金光 功君が会長という要職につきます。近隣のLOMとして、ブロック協議会への全面的な支援、そして北九州JCの2012年度に向けた全国大会開催の成功に向けて継続支援をすると共に、この美夜古地域だけでなく福岡県全体の発展の為に全力を尽くしてまいります。
日本JC主導の協働運動とまちづくりの推進)
日本JCから始まった協働運動も昨年度に引き続き推進いたします。この協働運動は、私達が、日本人らしくある為、また日本らしくある為、すなわち「日本人としてのアイデンティティ確立」を目的としています。今現在、日本全国で起こっている様々な諸問題について、この地域に住まう市民という枠のみならず、一日本人として共に考え、解決に努力しなければならない事項が多々あります。
戦後以来、失われつつある倫理・道徳観や日本古来より大切にされてきた伝統や文化などの「日本人の誇り」を取り戻す為の事業、また政治参加を推進する為の公開討論会等を、志を同じくする日本全国各地のJCメンバーと共に、私達、美夜古JCも推進いたします。
またこの美夜古地域は、豊富な特産物と広大な海と多くの山々に囲まれた美しい自然、また悠久の歴史がある素晴らしい地域です。そして私達JCの他にもこの地域の発展の為に積極的に活動をしている数多くのまちづくり団体があります。本年度は、それら諸団体とも連携して、この地域がより明るく、より豊かに発展していくにはどのようにしたら望ましいかを共に考える場を設けます。そして、「自分たちのまちは、自分たちで創る」という市民主導型のまちづくりを推進し、更なる活性化を図ると共に、この地域を愛し、魅力を感じて誇りに思って頂ける様な市民意識変革運動に繋げてまいります。
第3期 美夜古寺子屋事業の開催)
40周年記念事業の一環として始まった美夜古寺子屋事業も、本年度で3期目となります。昨年度も日本古来より受け継がれてきた倫理・道徳教育を基本とし、様々な実体験等を通じて、「人として何が大事なのか」「郷土愛」「志」という3つテーマで十数回の講座を行わせて頂きました。
将来、この地域で活躍出来るリーダーの育成を目的としたこの事業は、10年、20年先を見越したひとづくり・まちづくり事業だと考えます。私も2人の子供を第1期生として参加させましたが、この事業で学んだ事は、例え嫌いな食べ物でも子供達の血や肉になっている様に、徳のある人間らしくある為の人生の糧になっているなと、親の立場からも見て実感しております。
以上の事から、昨年度も保護者の皆様、またこの地域の皆様方からの温かいご理解・ご協力を頂いた事に加え、私自身、まだまだこの寺子屋の素晴らしさを伝播して行きたいという思いから、本年度も引き続き継続させて頂きます。 また美夜古寺子屋第1期生、2期生という卒業した塾生を一同に会し、お互いに切磋琢磨しあえる様な事業も合わせて実施いたします。
真の国際交流とは何かを考える)
大韓民国金梅JCと姉妹締結を結んで以来、本年度で36年目を迎え、またホームステイ事業が20周年という節目を迎えた事からある意味、再スタートを切る年だとも云えます。
私達には日韓友好は勿論の事、このホームステイ事業を50年、100年と末永く続けられる様に継続すると共に、より良い事業にしていく使命があります。お互い両国の子供達が末永く続く友情を育む事、また自国を愛し、他国への理解を深めた上で、友情を築く事が出来れば、思いやりのある行動の出来る国際人に近づけると考えます。今年度は、これらの交流を通じて、その意識の醸成を図ってまいります。
魅力あるひとづくりの実践)
JCのみならず組織で活動するにあたっては、「人」こそがもっとも重要であると考えます。昨年度に歴代理事長及び長年の経験者11名が卒業した事から、美夜古JCは次世代へと移り変わる一つの転換期に入ったともいえます。特に会員開発に於いては、JCの創始の精神や美夜古JCの41年間の歴史やメンバーの規範意識の向上等、行わなければならない事が多々あります。
また、会員の拡大も美夜古JCの更なる発展の為には避けて通る事が出来ません。本年度は、メンバーの更なる意識の向上と会員拡大の為の事業を合わせて実施いたします。そして綺麗な花には蝶が寄って来る様に、魅力ある所には必ず人が寄ってくる様な組織作り、ひとづくりに尽力してまいります。
最後に)
我達JCは、明るい豊かな社会実現の為に、様々な事業を通じて陰徳を積んでいる団体だと考えます。そして地道な活動を行ったその結果が、自然と「陽報を得」すなわち、必ずや市民の理解と共感を得ると共に、徳高い社会の創造に繋がると確信致します。
こういう「悪徳」が蔓延る世の中だからこそ、私達は「陰徳」を積む事を怠らず、利他の精神を以って徳高い社会の創造に向けて邁進してまいります。私達の活動の評価は周りがするものです。また私達は20代、30代の云わば「社会人としてまだまだ未熟者」の集まりでもあります。自己満足に奢る事なく、「この地域の為に何かしらの社会貢献させて頂きたい」「私達に何か出来る事は無いだろうか」という謙虚な気持ちと41年間の誇りを以って、この美夜古地域の発展の為に社会奉仕をさせて頂きたいと考えます。
本来ならば「陰徳」は、前述の通り、人知れず良い事をする事が尊いとされています。すなわち、この所信を記した時点で、私自身のいわゆる「陰徳」は無くなってしまったと戒め、また一から美夜古JCのメンバーや市民の皆様と共に、陰徳を積んで行きたいと考えます。どうか1年間宜しくお願い申し上げます。
■基本方針■
和顔愛語 先意承問(わげんあいご せんいじょうもん)
“やわらかい顔で優しい言葉。相手の気持ちを鑑みて問いただせ”
ただ単に笑うだけじゃなく、相手の気持ちを慮る、
「我が我が」だけじゃなく、相手の先にまわり、相手が「気持ち良い」と思えることをする、
その様な思いやりのある社会性や人間力を養おう。
それが伝播すれば、必ずや明るい豊かな社会実現への第一歩に繋がると確信する。
■事業計画■
1. ひとづくり及び青少年育成に関する事業
2. まちづくりに関する事業
3. 国際交流に関する事業
4. 会員研修
5. 会員拡大
6. ホームページの運用
7. 福岡ブロック協議会及び他LOMへの支援
8. その他地域貢献に対し必要と思われる事業
理 事 長 所 信
「陰徳、陽報ヲ得ル」
~徳高き美夜古の創造~

平成22年1月吉日
(社)美夜古青年会議所
2010年度 第42代理事長
末松 和典
